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泥臭く、かっこ悪く、リガーレらしく。人間力でファンを熱狂させるフットサルチーム リガーレヴィア葛飾の挑戦

葛飾区をホームタウンとするフットサルチーム「リガーレヴィア葛飾」をご存じでしょうか?

2022年のシーズンからFリーグ2部に昇格したこのチームは、葛飾区とホームタウン協定を結び、水元総合スポーツセンターをホームアリーナとして活動をはじめています。

チームとしては10年以上の歴史があり「泥臭く、かっこ悪く」を合言葉に活動してきた彼ら。多くのファンに愛される魅力と、葛飾での新たな一歩とは?

今回は高橋政之選手米谷悟選手のお二人にお話を伺いました。

街にできた新しいチームを迎え入れてもらうための努力

2022年に葛飾区をホームタウンにしたばかりのリガーレヴィア葛飾。これまでは都内各所で「リガーレ東京」として関東1部フットサルリーグを舞台に活動してきましたが、フットサルのプロリーグであるFリーグの2部に昇格するにあたり、2つの大きな制約を達成する必要がありました。

ひとつは、市区町村へのホームタウン承認を得ること。もうひとつが、観客を1,000人以上収容できるホームアリーナがあること。この両方を叶えるために、葛飾区にある水元総合スポーツセンターが選ばれたのです。

名前を「リガーレ東京」から「リガーレヴィア葛飾」に変えたのは、ラテン語で「つなぐ」を意味する「リガーレ」に、「道」を意味する「ヴィア」をつけてパワーアップさせたいという意志の表れ。チーム自体の10年以上の活動が、「道はつながる」を説得力あるものにしています。

リガーレヴィア葛飾のホームアリーナ、水元総合スポーツセンター (画像提供:リガーレヴィア葛飾)

とはいえ、葛飾区公認のフットサルチームになったのはごく最近。試合開幕までは数か月しか準備期間が無いなかで地元スポンサーを充分に集めて…というのは難しく、クラウドファウンディングにもチャレンジしました。

そこで「アリーナを真っ赤に染めよう!」を合言葉に呼びかけたところ、たくさんの支援やSNSなどでの反響が。その結果、9月16日に行われたFリーグ参入後初のホームゲームでは、こんな光景が広がりました。

赤いTシャツを着て応援するサポーターで観客席はいっぱいに

アリーナの出入り口には、公式グッズの物販や選手一人ひとりのフラッグも並べられ、チームカラーの赤色に彩られた熱気に満ちた会場となっていました。

オリジナルグッズも豊富に用意され、応援したい気持ちを盛り上げてくれます

高橋選手:僕は前身のチームから12年ほどやってきているので、その結果が今日ここにあるんだと思うと感慨深いです。まずこの空間が楽しくて。会場のセットとか看板とか、自分の名前が書かれた旗とか、この景色を見るためにずっとやってきたのかなって。

試合前のインタビューに応じてくださった米谷選手(左)と高橋選手(右)

新しく街にやってきたスポーツチームとして、まずは地元の人たちに知ってもらうところからスタートした今年。選手たち自ら地道に街の人たちのもとへ足を運び、交流を重ねてきました。

近隣にある小学校8校に無償訪問をしてワークショップを行ったり、水元総合スポーツセンターの最寄りである金町駅周辺のお店を訪ねてポスターを貼ってもらったり。

米谷選手:実際に動いてみて、この辺りには街を愛している人がたくさんいて、昔から人と人とのつながりも強い、素晴らしい街だなと感じています。例えば居酒屋さん一軒に伺うと、「中学時代の同級生があっちでお店をやっているから」と紹介してもらい、そこでも「向かいのお店と仲がいいから話しておいてあげるよ」と。今はまだこの街に来たばかりのチームですが、これからもっと交流を深めて、街の人たちにとっても僕らにとっても応援し合えるようになる気がしますね。

泥臭く頑張る姿に、ファンも熱狂的になる

選手たちも積極的に人との関わりを大事にしている点は、リガーレヴィア葛飾の唯一無二の強みにつながっています。
高橋選手:この会場の横断幕の数を見ていただいて分かる通り、僕らのチームはサポーターのみなさんがものすごく熱狂的なんです。アマチュア時代からずっと応援してくださっている方々も多いし、トップリーグでもこれだけの横断幕をサポーターが自費で作ってくれているチームはありません。こうして支えてもらっているからこそ、試合で今まで以上の力が出せることもあるし、これは本当に僕らの誇りですね。


本当は会場の全面に掲げるほどある横断幕を、規定上の理由で制限しているほどだそう

でも、ここまでサポーターがアツい理由はどこにあるのでしょう?

米谷選手:一つは、選手とサポーターとの距離感がものすごく近いことだと思います。SNS上での交流や会場での直接の絡みなど、選手の僕らも好意的にやりとりさせてもらっているのが大きいのかな。あとは、チームのスローガンである「泥臭く、かっこ悪く」をチームのメンバー全員が体現しているところだと思います。

高橋選手:どれだけ上手い選手でも「泥臭く、かっこ悪く」のマインドを持っていないならば取らない、というのがGMである西野のこだわってきたことです。一人ひとりがどれだけチームのために体を張って頑張れるかが大事なチームなので、初めて試合をご覧になる方もそこが印象に残ると思います。そこから「もう一回応援に行ってみようかな」とか「この選手が好きだな」といった風にステップアップして親しみを持ってもらえたら嬉しいですね。

インタビュー中には、キーパーの選手お二人がアリーナ側から手を振ってくれるお茶目なシーンも

取材に伺ったのは、ホームアリーナでの初戦を数時間後に控えた慌ただしいタイミング。にもかかわらず、選手も運営スタッフの方々も気さくに挨拶をして迎えてくださり、リガーレヴィア葛飾が愛され続けてきた理由を感じました。

高橋選手:試合中に、応援している皆さんとつながっているのを感じる瞬間があるんです。プレーしているときに魂が震えるのが自分で分かるというか。これは会場でしか味わえないので、ぜひそれを体験しに来てほしいです。



そして本番の試合では、リガーレヴィア葛飾が先制点を取る幸先のいいスタートを切りました。その豪快なゴールを決めたのは、「初めてのホーム戦という記念すべきゲームを必ず勝利で終えたい」と語っていた米谷選手。その想いが乗ったかのようなシュートが決まると、会場全体が揺れるように盛り上がり、まさに「魂が震える」瞬間でした。

積極的に攻めてチームを引っ張っていた米谷選手

しかしその後は逆転を許し、追いかける展開に。

それでも、離されても離されても、何度も食い下がるチームの姿に熱狂的に応援したくなる気持ちもわかるようでした。

人間らしさのあるチームが、下町の風土に溶け込んでいく未来

ホーム初戦は惜しくも勝利には届きませんでしたが、まだまだリガーレヴィア葛飾ははじまったばかり。これからどんなストーリーが生まれていくのかが楽しみです。

ボールに食らいつくリガーレヴィア葛飾の森岡薫選手

そして、取材を通して感じたのは、チームとしての人間らしさでした。「泥臭く、かっこ悪く、リガーレらしく」を体現する選手やスタッフの方々の姿勢は、プロリーグのチームであってもどこか温かく、親しみやすさもありました。なんだかそれが下町の雰囲気と似ている気がして、ホームタウンの葛飾区ともマッチしているように思います。

これから先、街のいたるところで赤いユニフォームのサポーターを目にしたり、飲食店のお客さん同士の会話から「リガーレヴィア葛飾」という言葉を耳にしたりするのも、そう遠くない未来かもしれません。

ホームアリーナの水元総合スポーツセンターは広々としていて気持ちの良い場所なので、お散歩がてら観戦に来てくれるのも大歓迎だそう。

一生懸命な姿に熱狂する時間は、あなたを勇気づけてくれるきっかけにもなりそうです。

素敵なHello!が、今日もあなたに訪れますように。

(取材・執筆:山越栞)

リガーレヴィア葛飾
住所〒125-0032 東京都葛飾区水元1-23-1 水元総合スポーツセンター(ホームアリーナ)  Google mapで見る
チケット https://ligare-futsal.com/ticket
今シーズンホーム戦予定 11/25(金)19:00 K.O
12/9(金)19:00 K.O
1/28(土)15:00 K.O
WEBhttps://ligare-futsal.com/
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※本記事に掲載している情報は、2022年10月時点のものです。

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